
打ち合わせのスタートは昨年の夏。撮影のスタートは昨年の11月。
1年の制作期間を経て、
11月11日(月)
「野菜の料理教室」が発売となります。
この本は、2011年11月にスタートした
七草の料理教室を文字と写真にした本です。
実際の教室での献立に、加筆・修正をしています。
普段手に取りやすい季節の野菜を中心に、
ご自宅で作りやすい料理を紹介しています。
七草の料理教室は、こうでなければならない、というルールは
ありせんが、
季節の食材をもっと身近に感じてもらうことや、
当たり前すぎる平凡な料理だけれど、
こここーすると、ぐっと出来栄えがよくなりますよ、とか、
実はこんな組み合わせすると、新しい味や野菜の別の表情が楽しめますよ、とか、
こんなことを大事にしている教室です。
なので、
ある料理は、短時間でできますが、
ある料理は時間がかかるものもあります。
ある料理は、冷蔵庫の中にあるものでできますが、
ある料理は、売っているのは見たことあるけど、
まだ使ったことのない食材、かもしれません。
ある料理は、ばっちり和食ですが、
ある料理はハーブやスパイスも使っています。
参加されたことのある方々は、
そうそう、とすぐにお分かりになると思いますが、
参加されたことのない方々は、
???かもしれません。
この本に、七草の料理教室がおさめられています。
是非、お手にとって、
一緒に料理を楽しんで頂けたらと思います。
以下、この本についての成り立ちや、
発売にあたっての、感謝の気持ちを書かせて頂きます。
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「とてもよい教室だから、本にしませんか?」と、
この本の編集担当である上杉さんにお声をかけて頂き、
実現したものです。
「はじめに」に書いてありますが、
私が教室を始めた理由は、
「どうやっても文字や写真では伝えきれないことを、
目の前で料理を作り、説明し、味をみて、鍋の中をみて、
参加してくださった方々と臨場感をもって料理を楽しみたい」
というものです。
なのに、それを文字にすることって、
どこか本末転倒なのではないのかな?と、
迷いを感じながらも、上杉さんの制作にかける情熱を信じ、
きっと上杉さんなら、
私のこの迷いをふっとばしてくれるだろうと、
制作に踏み切りました。
出来上がりを見たときに、
ここまで形にしてくれたことに、
心から感謝をしました。
カメラマンの新居さんは、
いつだって、鍋中のぐつぐつとしたおいしい瞬間を
パチリ、と捕まえてくれています。
スタイリスト協力をしてくれた大橋さんは、
いつも静かに撮影を見守り、
ここぞというときに、すっと立ち上がり、
その感性でテーブルの上を美しく、
料理を引き立てるスタイリングをしてくださいました。
アートディレクション・デザインの関さん、浜田さんチームは、
毎回撮影に立ち会ってくださり、
料理の臨場感を持ち帰り、
読者の方々に
料理の味わい、温かさ冷たさ、香りまでもが、
本を通して伝わるよう、デザインをしてくださいました。
各献立の最初のページに、
花のイラストが入っています。
花をいれようか?と提案頂きました。
その花のリストを見たときに、私はピンときて、
涙ぐんでしまいました。
すべて、七草のHP「日々のこと」に、季節ごとにアップしていた
店内に飾っている花達でした。
しっかり読んでくださっていたんですね。
私は、ほんとにうれしかった。
イラストのホテハマさんの書いた花達が
各教室の最初のページに入った瞬間、
まるで、パズルの最後の1ピースが入り、
私の中で料理とスタイリングと写真と文字とデザインと、
全てが一つになって、
調和した、
そんな感覚でした。
本に名前は掲載されていないのですが、
もう一人、岡本さん。
岡本さんは、本業編集者であるにも関わらず
アシスタント不在であわあわする私の、
もう一つの手となってくれました。
真っ白なエプロンを身に着け、
野菜をむいたり、切ったり、
洗い物をしてくれたりもすれば、
編集者としてもコメントもくださいました。
振り返れば、1年なんてあっと言う間、
けれど、一回一回の撮影ごとに、
課題をもって臨み、迷ったり、笑ったりしながらで、
とても中身の濃い1年だったと思います。
私はこの本の制作を通して、
改めて自分の料理について考え、
また、本という一つのプロジェクトで、
様々な対話を重ねてよりよき本を作ることの
大切さを改めて感じました。
編集の上杉さんには、
とことん付き合ってもらいました。
うまく表現ができない私の迷いや、
もう少しこうしたい、という希望や、
思うことをすべて伝えて、えんえんと・・です。
本当に大変だったこと思います。
電話が長くなりすぎて、携帯が熱くなることもたびたびでした。
ありがとう。
そしてそして、忘れてはならない、
大切は方々、この料理教室にご参加いただいている皆様。
皆様がいてこその料理教室です。
こうして本という形にまでなり、
さらにはこの教室が3年めを迎えることができているのは、
皆さんがご参加くださっているからこそです。
毎回、デモでもたもたしたり、
「あれ????」というようなことがあったりもしますが、
まだまだ課題が多い教室ですが、
これからもよろしくお願いいたします。
やっと、世に送り出す日がやってまいりました。
短いようで、長かったです。
長かったようで、短いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
皆様のお力があってこその本です。
本当にありがとうございます。