hou homespun


14~16日のfogさんでの試食会は、
「野菜の料理教室」の編集者である上杉浩子さんの
展示会に便乗させて頂いたのでした。

上杉さんは、主にヒツジの毛を紡いで織って、
全ての工程を一人で行い
ショールやブランケットなどを制作しています。

展示会の時、上のシェットランドのベージュのショールを購入しました。

驚くほどに、暖か!
首とショールの間の隙間でさえ、
ぬくぬくしたあったかい空気が一杯になっています。

いやー、買ってよかったなー。
嬉しいなあ。
これからの季節、大活躍まちがいなしです。

上杉浩子さんの
hou homespunはこちら


hou homespan

京都のkitさんにて、12月2日まで
hou homespunの「えりまき」展が開催されています。
ちかくの方は是非ご覧くださいませ。

立冬の教室③

P94
さばのしょうが焼きと緑の野菜

立冬の献立を考えていたとき、
この料理が最後に決まった。
ごはんはむかごごはん、
汁ものは、白い野菜のスープ
どちらも素材の味をぐっと前にだしているけれど、
口当りや味の広がり方が、ふわりとしているから、
主菜になる料理はもっと俺様的な味わいがほしくて、
さらには、芳ばしさがあってほしいなー、と思い、
この料理にした。
(青梗菜とエビの塩炒め案もあり。けれど野菜に汁けを含み、
白い野菜のスープと一緒だと、献立全体が「ひたひた」した感じになるな、
と思ってやめた)

魚の焼きかた・焼く道具は様々だけれど、
鯖の切り身だけは、私はフライパンで焼くのが気に入っている。
この時期の鯖は脂ものっているから、
焼き網やグリルだと、脂が落ちてじゅわじゅわしたり、
焼き網だとぼっと火がたったりで、
うーん・・・となってしまう。
(これは自宅でのお話しです)
フライパンだとうまくいく。
塩焼きはもちろん、今回のように漬け汁があるならなおのこと。

ちょっと油をひいて、皮目から焼き始めると、
どんどん鯖の脂がでてくる。
ベーコンを油と一緒にフライパンで焼くと、
かりっと仕上がる、これと要領は同じ。
鯖の脂は「落としたい」、ならば、やっぱり網だけれど、
思いのほか、皮めはかりっとうまく仕上がる。
しょうが焼きから話はずれるけれど、
一緒ににんにくやローズマリーなどのハーブ焼いてもいい。
先日のミセスで書いたレシピは、
にんにくと一緒に焼いて、
刻んだたっぷりのパクチーとレモン汁のソースで食べるものだった。

カリッと仕上げるには、ふたはしない方がうまくいく。
ふたをすると、蒸気がこもり皮もどこかしっとりとなる。

魚を料理する時は、基本、煮る時でも焼くときでも、
加熱する前に、表面にうす塩をあてて、魚の水分をちょっとだして、
きゅっと身をしめると、ぐっとおいしく仕上がる。
塩味をつけるのではなく、水分を出す程度の塩の量で、
でてきた水分をちょっとなめたら、
しょっぱいけど甘い、って感じるくらいが目安。
30分ほどおく時間が惜しい、となると、
それはそれでよいとして、
30分でぐっとおいしくなるんだな、と思えるようなら、
是非おためしを。

おいしく料理を作るコツに、
「時間」の仕事がある。
漬物や果実酒などは如実に「時間」の仕事がわかるけれど、
実は結構日常のちょっとしたところにも「時間」が活躍することがあって、
見落としていることもしばしば。
この数年の間で、私自身も見落としていたことに気が付くことがあり、
花豆の煮方、仕上げ方が随分と変わった。
(でも、こういうのは、こっちのほうがおいしくできた!という話で、
こっちは正解・あっちは不正解という考え方とは違うのではないかと思う)

ああ、どんどん話がずれていく。

話をもどして、春菊についても。

鯖やさんまなどの青魚で独特の香りを持つ魚と野菜を合わせるならば、
同じく個性が強い、香りが強い野菜が相性がいいと思う。
春菊や、パクチーや、辛みの強いクレソンなどなど。
それだけでは味が強すぎるから、水なやほうれん草などと一緒にしてもいいかな?と。
これらの野菜を食べごたえのあるサラダにしたてるならば、
素焼きした舞茸や椎茸を加えてみてはどうだろうか?

さばのしょうが焼きともとても合う。

京都「Kit」「恵文社」にて試食会です。

11月23日(土)24日(日)に、
京都のKitさん、恵文社さんにて、
干し椎茸とドライトマトのコンフィをご試食いただけます。
Kitさんでは、上杉浩子さんのホームスパンの展示会にて、
便乗させていただきました。

京都付近の皆様、お時間あれば是非おでかけくださいませ。

詳細はこちら↓

Kit
恵文社

立冬の教室②


「野菜の料理教室」
p92
白い野菜のスープ

冬が近づくと、スーパーも八百屋も、
菜っ葉の種類がどんどん増えてくる。
そして、年中出回っている白い野菜は、
ぱちんとはじけそうなくらい、
まるまる・ふっくらとし、味ものってくる。
(夏に見るかぶやねぎは、どことなくはかなげで、
すこし気の毒な感じなのだ)

このスープは、
「今晩はあったかいスープが飲みたい、食べたいな」と
2日3日と連日
思い始めたら、作り始める合図。
まさに、今の季節から。

具材はすぐに火が通るものなので、
作り方①で、30~40分ほど煮込む、というのは、
ちょっと長いのでは?と思われるかもしれないけれど、
これは、昆布の味をちゃんと出すためのの時間と、
野菜の甘みをしっかり出すための時間。

火が通れば、はい出来上がり!かと言えば、
それはそれで、そうなのだけれど、
このレシピは、
あと少し火を通す時間を長くすることで、
野菜の味が、スープ全体に行き渡り、
スープはいろいろな野菜の味が調和していて、
具材そのものは、その野菜の味がするっていう、
そういうレシピ。

夕ご飯に作った、大根の味噌汁が残って、
次の日の朝温めて食べたら、
みそ汁の味が、昨晩より大根の味がする、って、
よくないですか?
これと理屈はいっしょです。

ただ、みそ汁だと、どうしても
具材に味噌の味がはいり、大根の味がぬけてしまうけれど
(これはこれで、おいいし)
このスープは、ほんのり塩味なので、
具材の味も、そのまま。

も少し寒くなったら、いっそ、昆布はいれずに、
野菜の味だけで十分。
びっくりするほど、しっかりとしたスープになる。

「白い野菜」じゃなければダメなの?って
ことはないけれど、
これからの季節は白い野菜がとってもおいしくなって、
白は白でも、いろんな白で、色々な形で、
おいしくて、美して、この季節に作らなければ、いつ作る??
という、私の偏った思いのスープなんだろうな、と思う。

はらりと、菊の花を散らして、(p82の感じ)苦味を加えてもいいし、
おろした柚子の皮をふると、香り高いスープにもなる。

多めに作って、P117の応用も是非試して頂けたらと。
もし、スープが足りない時は、
少しずつお湯を足して、のばすのがおすすめ。
しっかり味の出汁でのばすと、出汁の味が先に立ってしまい、
これはこれでおいしいけれど、
せっかくなので、野菜の味をストレートに味わってもらえたらなと思う。

百合根の扱いについて、補足。
百合根はご存じのとおり(で、いいですか?)、玉ねぎのように、
重なりあっている。
一枚ずつはがすのに、まず、根っこを包丁の先で、
ざっくりえぐるとはずしやすい。

外側が大きく、中になるほど、鱗片は小さくなるのだけれど、
大きい外側ほど火の通りがはやく、時には2分も茹でれば煮崩れる。
このスープでは、百合根は煮崩れたって全然かまわないし、
むしろ、そのくらいのほうがおいしい気がする。
けれど、一応、伝えておこうかな、と。

立冬の教室①



「野菜の料理教室」
P98
にんじんと干し柿のサラダ

にんじんが主役の料理って、どれだけあるのだろうか?

にんじんは、
炒める・煮る・和える・揚げる・漬ける・・・、と
調理の守備範囲がとっても広くて、
さらには、その美しい色ゆえ、
「いろどり担当」としてお呼びがかかりやすい。
(もちろん、栄養の高さも理由の一つ)

味も香りも色も、個性を持っているから、
どれだけの素材と一緒になっても「ここに居ます」と、
主張はあるのに、
「では、独り立ちしてごらん」となると、
これが中々・・・。

あるにはある。
糠漬けや、ピクルスや、にんじんだけ甘く煮たものなどなど。

なんだけれど、一口二口、三口・・・となってくると、
それでもう十分、
食べ続けるというより、
箸休め的な役割になってしまって、
一回の食事の中では、やっぱり脇役にキャステイングされやすいなぁ、と思う。

ちょっと話がにんじんからずれてしまうけれど、
私が野菜のおかずに求めることは、
「食べごたえがあるのに、食べ飽きないこと」

食べごたえ、というと、
ボリューム感がある、しっかりとした味付け、などが
真っ先に思い浮かぶけれど、
淡い味付けでも、油を使っていなくても、
しゃきしゃきと歯ごたえがあったり、
ふわりと香りが鼻に抜けたりと、
野菜の味わいやうま味 歯ごたえや香りを存分に堪能できると、
食べごたえを感じるはず。

そして、この手の食べごたえは、食べ飽きない。
「ずーっと、食べていたいな~」と、思えるおかずは、
食べ終わってお腹は一杯になっても、体が重いと感じることが殆どないから不思議。
(野菜はすごいなー)

にんじんだって、そうなれるはず。

さらには、「いろどり担当」ではなくて、
にんじんそのものの色を愛でることもできるはず。

そんなこんなで、できた一皿が、
にんじんと干し柿のサラダ。
干し柿の甘みとにんじんの香りと歯ごたえをあわせて、
ワインビネガーの酸味できゅっと引き締めたら、
初冬のおいしい、美しいサラダになった。

オイルをオリーブオイルにしてもよし、
白ワインビネガーを米酢にしてもよし、
玉ねぎは薄切りでもいい。
(その場合は、ごくごく薄切りがいいかもしれない)
あ!本にはグレープシードオイルについて書いた。そう、こういうライトなオイルだとにんじんと干し柿の味が引き立つ。けれど、オリーブオイルだって、全然かまわない。

干し柿は、しっかり干しの枯露柿(ころがき)を使って、
オイルとワインビネガーであえて少しおいて、
しっとりとしてきたところが食べごろ。
干し柿をはじめ、ドライフルーツを料理に使うときは、
水で浸してもどすより、調理の過程で合わせる水分(このレシピでは白ワインビネガー)や、
出てきた水分で戻していくと、水っぽくならないし、
他の食材となじみがよくなる。

干し柿が手元になければ、
他のドライフルーツ、
ドライマンゴー、干しいちじく、干し杏でもおいしい。
その場合は、ドライフルーツの甘みや酸味に合わせて、
ワインビネガーの分量を調整すると、味がまとまる。

ちょっと目先をかえて、
干し柿などドライフルーツをいれずに、
クミンシードをばらりと入れると、
スパイシーなサラダにもなる。
ココナッツをちょっといれたり、カシューナッツを入れたりすると、
さらに素敵。

実は、私、にんじんがちょっとだけ、
苦手。(ちょっとだけ)
それだけに、にんじんをおいしく食べることに、
とっても執着してしまう。
こんな私が、大好きなサラダ。
是非、お試しを。

「野菜の料理教室」番外編ーイベント・展示のお知らせ

さて、早々にお知らせです。
(今日はいっぱい投稿している)

●2013年11月11日より
青山ブックセンター本店(表参道)の料理本コーナーにて、
パネル写真と、
実際に料理教室で使用している(本誌にもちらちら出てくる)調理道具数点を
展示いたします。
お近くまで行かれた際には、是非に。

たしか、24日(日)までだったかな?

●干し椎茸とドライトマトのコンフィ(本誌p108)の試食会

編集を担当された上杉浩子さんのホームスパンの展覧会が
下北沢のfogにて開催されます。
その期間中、干し椎茸とドライトマトのコンフィの試食と本の販売も
同時開催です。

これからの季節、ホームスパンのぬくぬくが活躍します。
私もいそいそと上杉さんのホームスパンを見に行く予定です。

2013年11月14(木)15(金)16(土)の三日間です。

fogの商品を見て、上杉さんのホームスパンを見て、試食もしてください。

よろしくお願いいたします。

「野菜の料理教室」番外編について

さて、今日から「野菜の料理教室」番外編、という
カテゴリーを追加しました。

これ、なにかといいますと、
①この本に関するイベントの告知
②どーしても本に書ききれなかった細かいこと
③それぞれの料理に関するエピソードや、どーでもいい私の個人的な話

などです。

幸いにも、この本は1年を通してページをめくって頂ける構成になっています。

例えば、11月なら、
本誌P88から始まる
「立冬の教室」です。

該当する季節がない時は、
「素材の力」の
豆腐・干ししいたけ・茄子について書きます。

毎回、本誌の献立にそって、
こーすることもできますよ、とか、
こーやってこの料理ができました、とか、
を書いていきます。
その時の撮影エピソードや、
その料理や素材に関わる私個人の思いで話とか、
実際の教室での出来事など、
そんなことも、書いていこうと思います。

これから1年かけて、です。

私としては、
「野菜の料理教室」本誌と、この番外編、
二つが揃って、一冊、という感覚でいます。

どうぞ皆様、これから一年間、お付き合いください。
よろしくお願いいたします。

「野菜の料理教室」発売いたします。


打ち合わせのスタートは昨年の夏。撮影のスタートは昨年の11月。
1年の制作期間を経て、
11月11日(月)
「野菜の料理教室」が発売となります。

この本は、2011年11月にスタートした
七草の料理教室を文字と写真にした本です。
実際の教室での献立に、加筆・修正をしています。

普段手に取りやすい季節の野菜を中心に、
ご自宅で作りやすい料理を紹介しています。

七草の料理教室は、こうでなければならない、というルールは
ありせんが、
季節の食材をもっと身近に感じてもらうことや、
当たり前すぎる平凡な料理だけれど、
こここーすると、ぐっと出来栄えがよくなりますよ、とか、
実はこんな組み合わせすると、新しい味や野菜の別の表情が楽しめますよ、とか、
こんなことを大事にしている教室です。

なので、
ある料理は、短時間でできますが、
ある料理は時間がかかるものもあります。
ある料理は、冷蔵庫の中にあるものでできますが、
ある料理は、売っているのは見たことあるけど、
まだ使ったことのない食材、かもしれません。
ある料理は、ばっちり和食ですが、
ある料理はハーブやスパイスも使っています。

参加されたことのある方々は、
そうそう、とすぐにお分かりになると思いますが、
参加されたことのない方々は、
???かもしれません。

この本に、七草の料理教室がおさめられています。
是非、お手にとって、
一緒に料理を楽しんで頂けたらと思います。

以下、この本についての成り立ちや、
発売にあたっての、感謝の気持ちを書かせて頂きます。

**************************************

「とてもよい教室だから、本にしませんか?」と、
この本の編集担当である上杉さんにお声をかけて頂き、
実現したものです。

「はじめに」に書いてありますが、
私が教室を始めた理由は、
「どうやっても文字や写真では伝えきれないことを、
目の前で料理を作り、説明し、味をみて、鍋の中をみて、
参加してくださった方々と臨場感をもって料理を楽しみたい」
というものです。

なのに、それを文字にすることって、
どこか本末転倒なのではないのかな?と、
迷いを感じながらも、上杉さんの制作にかける情熱を信じ、
きっと上杉さんなら、
私のこの迷いをふっとばしてくれるだろうと、
制作に踏み切りました。

出来上がりを見たときに、
ここまで形にしてくれたことに、
心から感謝をしました。

カメラマンの新居さんは、
いつだって、鍋中のぐつぐつとしたおいしい瞬間を
パチリ、と捕まえてくれています。

スタイリスト協力をしてくれた大橋さんは、
いつも静かに撮影を見守り、
ここぞというときに、すっと立ち上がり、
その感性でテーブルの上を美しく、
料理を引き立てるスタイリングをしてくださいました。

アートディレクション・デザインの関さん、浜田さんチームは、
毎回撮影に立ち会ってくださり、
料理の臨場感を持ち帰り、
読者の方々に
料理の味わい、温かさ冷たさ、香りまでもが、
本を通して伝わるよう、デザインをしてくださいました。
各献立の最初のページに、
花のイラストが入っています。
花をいれようか?と提案頂きました。
その花のリストを見たときに、私はピンときて、
涙ぐんでしまいました。
すべて、七草のHP「日々のこと」に、季節ごとにアップしていた
店内に飾っている花達でした。
しっかり読んでくださっていたんですね。
私は、ほんとにうれしかった。

イラストのホテハマさんの書いた花達が
各教室の最初のページに入った瞬間、
まるで、パズルの最後の1ピースが入り、
私の中で料理とスタイリングと写真と文字とデザインと、
全てが一つになって、
調和した、
そんな感覚でした。

本に名前は掲載されていないのですが、
もう一人、岡本さん。
岡本さんは、本業編集者であるにも関わらず
アシスタント不在であわあわする私の、
もう一つの手となってくれました。
真っ白なエプロンを身に着け、
野菜をむいたり、切ったり、
洗い物をしてくれたりもすれば、
編集者としてもコメントもくださいました。

振り返れば、1年なんてあっと言う間、
けれど、一回一回の撮影ごとに、
課題をもって臨み、迷ったり、笑ったりしながらで、
とても中身の濃い1年だったと思います。
私はこの本の制作を通して、
改めて自分の料理について考え、
また、本という一つのプロジェクトで、
様々な対話を重ねてよりよき本を作ることの
大切さを改めて感じました。

編集の上杉さんには、
とことん付き合ってもらいました。
うまく表現ができない私の迷いや、
もう少しこうしたい、という希望や、
思うことをすべて伝えて、えんえんと・・です。
本当に大変だったこと思います。
電話が長くなりすぎて、携帯が熱くなることもたびたびでした。
ありがとう。

そしてそして、忘れてはならない、
大切は方々、この料理教室にご参加いただいている皆様。
皆様がいてこその料理教室です。
こうして本という形にまでなり、
さらにはこの教室が3年めを迎えることができているのは、
皆さんがご参加くださっているからこそです。
毎回、デモでもたもたしたり、
「あれ????」というようなことがあったりもしますが、
まだまだ課題が多い教室ですが、
これからもよろしくお願いいたします。

やっと、世に送り出す日がやってまいりました。

短いようで、長かったです。
長かったようで、短いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

皆様のお力があってこその本です。
本当にありがとうございます。