ご無沙汰してしまいました。
11月の半ばから、
営業しながら、打ち合わせだ、撮影だ、料理教室、出張料理・・・と、
めまぐるしい日々がすぎ、
はたと気づけば今年もあと二日ではないですか・・。
今日が何曜日なのか?もう、さっぱりわからなくなっております。
今月、私は「豆腐」について、あれこれ、ぶつぶつと語りたかったのですが、
全くできずで、今月が終わってしまうので、
豆腐は来年のどこかにすることにしました。(早くも挫折)
で、年明け、お雑煮を召し上がる方々も多いと思いますので、
ちょっとお出汁について、ぶつぶつしようと思います。
お出汁の引きかた、至るところで書いています。
昆布とかつおのお出汁です。
手順を申し上げますと、
①昆布を水に半日ほど浸す
②弱めの中火にかけ、70度ほどになったらその温度を保って30~40分
③しっかりと昆布の味が出ているのが確認できたら昆布を引きあげる。
④中火にし、ぐらぐらっとする前に鰹節を投入してすぐ火を止める。
⑤そのまま3~5分
⑥こす
この方法を提案しています。
まず、②について「すぐに昆布は引き上げるのでしょう?」と言われること多々ありますが、
まずは騙されたと思って、チャレンジしてください。
(説明すると長いから・笑)
鍋肌に小さな湯玉がついてきたくらいが70度ちょっとです。
どれほどの水に、どれほどの昆布とかつお節なのか?で、まず味ができあがります。
ご自宅で使い勝手がよい割合いは、
水10:昆布1:かつお節1 あたりだと思います。
水1リットルに対して、昆布10gかつお節10g、ということです。
上記の方法だと、出来上がりが850ml前後になると思います。
けっこうしっかりしたうま味のあるお出汁です。
七草のお出汁はどうかと言うと、もう少し昆布が多く、もう少しかつお節が少ないです。
昆布がちのお出汁です。
そして、昆布の種類、かつお節の種類によっても味は変わります。
高品質の昆布・かつお節を入手できれば、
素材の味そのもので、おいしい出汁が引けるといえば、引けると思うのですが、
では、どこまで高品質のものを手に入れるか?となると、
正直、現実離れしてくるのではないのかな?とも思います。
普段のもの、あるいは、普段よりちょっとよいもの、でよいのではないかと思います。
ご自宅で出汁をとる場合、まず大事なのは、
温度、といいますか、ぐらぐらさせない、ということかと思います。
ここにぐっと集中すると、集中していない時より、
クリアな味のお出汁が引けます。
こと、日高昆布でお出汁をとる場合、ぐらぐらさせると、
海草の香りが出過ぎて、昆布のうま味、というより海草のにおい、となりやすいです。
実際、日高でとった昆布出汁は、他の昆布出汁とは異なり、緑ががかった色になります。
関東では「だし昆布」という表示で日高昆布が売られていることも多いので、
日高をご使用になるときは、こと火加減に集中してみてくださいね。
かつお節を入れる時、入れた直後、ぐらぐらっとさせると、
かつおのうま味と同時に、かつおのくさみも出ます。
かつお節をいれた後「あくをすくう」という作業が入ることがありますが、
ぐらぐらとさせず、いいタイミングでかつお節をいれると、
「あく」と言われる白っぽい泡は立ちません。立ってもごくわずかです。
そして濾すと、濁りのない、とても澄んだお出汁がとれます。
まずは、手持ちの昆布とかつお節があれば、
火加減に注意してお出汁を引いてみてください。
お雑煮は、地方色がひときわ目立ちますので、
具材も味付けもさまざまかと思います。
(お出汁のベースも、昆布+かつお節でないことも多いと思います)
私は関東育ちですので。
しょうゆ味で、かしわ入り、です。
(餅は四角の切り餅の焼き餅)
鶏肉や魚を具材にするならば、いっそ、かつお節はいれず、
昆布出汁+肉や魚のうま味でも、いいのではないかと思います。
ちなみに、店では昆布は利尻や真昆布、かつお節は血合い抜き、まぐろ節を使ったり、
です。
もし、入手できるようであれば、是非使ってみてください。
来年の皆様のお雑煮に、少しでも役にたてたらよいなと思います。